VOICE – Fulfillment by ZOZO https://fbz.zozo.com 国内最大級ファッションECの物流プラットフォームを自社ECでも Fri, 12 Jan 2024 01:37:10 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.4.15 https://fbz.zozo.com/wp-content/uploads/2020/03/cropped-icon-512x512-1-32x32.png VOICE – Fulfillment by ZOZO https://fbz.zozo.com 32 32 オムニチャネルを推進し、ブランディングとの相乗効果を目指す – GUESS JAPAN合同会社 https://fbz.zozo.com/voice/guess001/ Mon, 23 Mar 2020 07:09:04 +0000 https://fbz.zozo.com/?post_type=voice&p=1125

GUESS本来のブランドイメージを伝えるために

——GUESSといえば、キャッチーなロゴが印象的ですが、まずブランドについて教えてください。

1981年、フランス人のマルシアーノ兄弟がアメリカLAを拠点に、GUESSをスタートさせました。デニムに始まり、今ではウィメンズ、メンズ、キッズのアパレルからアクセサリーラインまでのトータルコレクションを世界中で展開する、グローバル・ライフスタイル・ブランドへと成長しました。中でもデニムは、創業時からブランドを代表するスキニーシルエットをはじめ、その時代のトレンドを取り入れたものなど、シンボリックなアイテムを展開しています。特に、シグネチャーであるマリリン・ジーンズは、ヨーロピアン・スタイルと伝統的なアメリカン・ファブリックを融合させたもので、最初に作った24本は販売と同時に即完売したという逸話が残っています。また、ファッション業界のトップクリエイターが手がけたキャンペーンビジュアルは話題を呼び、GUESSの名前が世界中に広まるきっかけとなりました。

——グローバル展開する上で、ブランドとして打ち出す女性像やイメージは?

本国のコアターゲットである「GUESSガール(GUESSの広告モデル)」のイメージは、セクシーでラグジュアリー。年齢によって3世代にカテゴライズしているのですが、メインは38〜40代のHERITAGE(ヘリテージ)世代、続いて24〜37歳までのMILLENNIALS(ミレニアルズ)世代に、10代〜23歳までのGEN-Z(ジェンジー)世代。そしてメインで展開しているのは、デニムを中心にドレスやオフショルダーのトップスといったアイテムです。

——本国アメリカと日本では、客層やマーケットに違いがありそうですね。

日本では、ECに関しては圧倒的にGEN-Z世代が強く、ロゴの入ったニット、スウェット、Tシャツなど、カジュアルなアイテムが売れ筋です。ブランドのDNAであるデニムラインを強化したいという想いはありますが、US商品はスキニーシルエットが多く、日本のニーズと必ずしもマッチしてはいないので、日本のマーケットやトレンドを意識した、また日本人の体型に合わせた日本企画商品やアーティストとのコラボレーションなどの限定商品も展開しています。本国が推したいブランドイメージを自社ECやアプリを通して発信しつつ、日本のマーケットにどうローカライズしていくかが課題です。

ECサイト開設への経緯と売上アップの転機

——ECサイト立ち上げにあたり、Fulfillment by ZOZOを選んだ理由は?

もともとZOZOTOWNなどモール系にしか出店していなかったこともあり、自社ECの立ち上げが早急な課題となっていました。数社比較検討した上で、Fulfillment by ZOZO(以下FBZ)を選んだ一番の決め手は、他社では実現できないZOZOと自社ECの在庫一元化ができることでした。また他社よりも、イニシャルコストやコンサル・物流管理・カスタマーサポートなどのランニングコストも抑えることができ、約半年間という短期間でオープンできたスピード感もポイントとしては大きかったです。

——ECを立ち上げて約1年、手応えは?

最初の半年間、2019年10月くらいまでは正直伸び悩んでいました。もともとあったサイトを移行するのではなく全くの新規開設だったこと、SNSも本国との共通アカウントということもあり、情報発信の手段には制限があったため、お客様を獲得するのに難航しました。

——そんな中、2019年10月以降、売り上げが伸びたきっかけは?

ひとつは2019年8月にアプリをリニューアルしたことが挙げられます。これまで実店舗だけで稼働していたアプリを一新し、実店舗とサイトが連動するよう会員情報を一元化しました。それによって顧客データの獲得に繋がったことが要因です。もうひとつは、WEB広告やマーケティングのデータが蓄積されてきたことです。FBZ担当者との半年間の取り組みが機能し、最適化してきたと実感しています。

日本マーケットでファンを獲得するための次なる施策

——ZOZOTOWNなどのモールと自社ECの住み分けは?

ZOZOTOWNをはじめ各モールでは、その集客力・販売力を活かし、GUESSの商品を多くのお客様に知っていただく。一方、自社ECでは、ブランドの世界観や魅力を様々な視点からお伝えし感じてもらい、ロイヤルカスタマーになっていただくことが第一の目的です。実際にモールに比べ、自社サイトの客単価は高いので、アウターやハイエンドなライン、コラボレーションコレクションなどを前面に出して、しっかりブランドをアピールすることで、ファンを増やしていければ、もっと売上にも繋がるのではないかと思っています。

——日本でのマーケット拡大に向けてどんな工夫を?

自社サイトでは、基本的には本国と共通のモデル画像を使用しているのですが、やはり女性像に違いがあるので、日本でも別途外国人モデルを起用した撮影を増やしていく予定です。さらに、反応を見ながらハーフや日本人でも外人体型のモデルの起用など施策を行っている段階です。またオンラインモールでは展開していないハイエンドラインのMARCIANO(マルシアーノ)や実店舗で扱いのある商品もフルラインナップを見られる環境に整えていきたいと考えています。

——では、実店舗とECのそれぞれの役割は?

実店舗は現在26店舗あります。ブランドにとってもちろんECは重要ですが、やはり洋服というものは、実際に手にとって、試着するという行為も外せないと思っています。ECを入り口に店舗でも購入してもらい、あるいは逆に店舗に入りづらいという方には、ECで買っていただくなど、相互補完関係を築いていきたいと思います。

——これからのECの展開や目標は?

モール、EC、実店舗と、オムニチャネル化を推し進め、会員情報一元化などで様々なデータを可視化できたので、今後の取り組みや新しいサービスに活かし、EC化率を伸ばしていきたいです。機能面も改善や追加を実施し、お客様の多様なニーズにお応えできるように、またお客様がストレスなく満足してお買い物ができる環境を提供できればと思っています。今後はSNSなども導入・連携させて、よりブランドの世界観や魅力を伝えていきたいと考えています。

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ECに特化し好調をキープする、独自のファッションの売り方 https://fbz.zozo.com/voice/mono-mart001/ Thu, 30 Jan 2020 04:42:13 +0000 https://fbz.zozo.com/?post_type=voice&p=988

メンズカジュアル部門で売上1位を目指して

——MONO-MARTの成り立ちとは?

10年前、まずはブランド「MONO-MART」から始まりました。その頃はECサイトがまだ発展していない時代でしたが、会社としては、今後ECがより拡大していくという予感がありました。そこで低単価でありながら質のよいものを、ECサイトを通じて発信していこうという想いでスタートしています。ちょうどファストファッションが流行りだしたのですが、多くはレディースがメインで、メンズ市場にはあまりブランドが多くない状態でしたので、我々が最初に低価格帯のメンズファッションを引っ張っていきたいという気持ちもありました。

——MONO-MARTのオリジナル/セレクトアイテムの割合は?

当初はOEMでメーカーと交渉しながらオリジナルを製造販売していましたが、次第にトレンド性を取り入れたセレクトアイテムも扱うようになりました。今は、オリジナルとセレクトの割合が4:6くらい。MONO-MARTでは「KANGOL」は特に人気ブランドなのですが、今世の中で「当たり前」だとか「ヒット」しているものを的確にキャッチするようにしています。

——現在は5ブランドを抱えていますが、それぞれの特徴は?

「MONO-MART」がカジュアル、ストリートをイメージしているのに対し、創業5年目に立ち上げた「EMMA CLOTHES(エマ クローズ)」は都会的で洗練されたウェアと伝統的なデザインや魅力的な着こなし、「BARK MANHATTAN(バークマンハッタン)」は日常に寄り添う、今あるべき自然体なスタイルを提案しています。それから2019年11月に自社ECサイトを立ち上げるタイミングで誕生したのが、Z世代を意識した韓国系のメンズストリートブランド「BASQUE magenda(バスクマゼンタ)」と、初のレディースブランド「Chaco Closet(チャコクローゼット)」です。

——ECモールでは売上を着実に伸ばしてきたが、どのように成長してきたか?

試行錯誤を重ねながらこれまでやってきましたが、世の中の人々のニーズと我々がやろうしたことが、その時々でうまくマッチしたのではないかと思います。会社としてまずは楽天で売上1位を取るという大枠の目標を持ちつつ、状況が変わればそれに合わせて常にフレキシブルに動いてきました。例えば商品写真も最初は着用モデルの顔を入れず掲載していたのですが、途中から顔まで含めた画像に切り替えました。また商品の動きが良くなければ、ヴィジュアルを撮り直すこともありますし、お客様にいいなと思ってもらえるものを具体的に文章で表現するなど、臨機応変に対応してきました。
他にも様々なECモールとお取引してきましたが、成長へのターニングポイントの一つとなったのは、ZOZOTOWNとの出会いかと思います。出店をスタートすると非常に反響があり、実際に売上も好調に増進、ZOZOTOWNのブランドランキング上位にも入るようになりました。担当の方とも良い関係を築くことができています。
実店舗がない分、ページ自体が接客になりますので、いかにお客様に商品の内容を伝えられるかが重要だと思っています。同時に、スピード感を特に重視していて、ECにとって常に世の中の流れに合わせていくことが必要不可欠だと思うので、それを実践できていることが我が社のメリットだと感じています。

各ブランドの住み分けと自社ECサイトが担う役割とは

——5ブランドそれぞれの自社ECサイトの立ち上げにはどんな狙いが?

より多くのお客様にブランドのことを知ってもらいたい、また既存のお客様とよりインタラクティブな関わりができる場を作っていきたいと思っていたところ、ZOZOTOWNの担当の方から、ZOZOグループの取り組みであるFulfillment by ZOZO(FBZ)を紹介されました。セレクトアイテムなどは売れ行き傾向によっては、取り扱うブランドを変更することもあるので、ZOZOTOWNと自社ECの在庫拠点を一元化することができれば、在庫効率と運用効率という点でベストな選択だと考えました。

——自社ECサイトとECモールへの出店とそれぞれの位置付けは?

「MONO-MART」や「EMMA CLOTHES」は特に、ECモールはブランド認知の入り口として大切な場と捉えており、自社ECサイトではよりブランディングとしての機能を確立したいと思っています。自社ECサイトは店舗でいう直営のフラッグシップショップ、一方でECモールは百貨店への出店という位置付けですね。

——これまでメンズファッション市場を開拓してきたなかで、遂にレディースに着手した理由は?

「Chaco closet」はコアターゲットをママ世代に設定しています。20代前半〜のレディースブランドは飽和状態ですが、少し年齢層高めの20代後半〜30代後半をターゲットにしたマーケットにはまだ需要があるのではと考えたからです。社内でもレディースブランドを立ち上げたいという声は以前から上がっていたので、まずは試験的な意味もありますがこの機会が最適だと考えました。またこれまでやってきたメンズブランドともまったく異なる世代に向けた「BASQUE magenda」に関しても、韓国系ストリートファッションが若い世代に人気があるということと、会社としてできることの幅をより広げていきたいという思いがありました。

——構想から商品化、ECでの展開まで、ブランドを立ち上げるための期間は?

仕入れなどを含め、構想からだいたい半年くらいです。FBZを導入し、ZOZOTOWNをベースに在庫を一括管理しているので、非常に管理がしやすく最短期間で実現できるのは魅力だと感じています。

数あるECサイトと差別化を図る、ブランドの世界観

——ECでの卓越した販売力の秘訣、特に注力している点は?

これまで10年間、トライ&エラーでノウハウを築き上げたなかで特に心がけていることは、他のブランドにはない見え方を追求するというところでしょうか。ECモールにはそれこそものすごい数の商品が一堂に会しているので、埋もれないようなヴィジュアルづくりには工夫を凝らしています。例えば、検索結果一覧でも目立つように背景色をカラーにするなどして、ページ上で写真が映えるよう心がけています。

——あえて撮影は自分たちで。こだわりのヴィジュアルはどのように作られているのか?

ZOZO側で撮影いただくことも可能な中、「MONO-MART」と「EMMA CLOTHES」は社内で撮影、それ以外の3ブランドは外部に委託し、ディレクターを立てて撮影を行なっています(※1)。「MONO-MART」に関しては自社の専属モデルにMUSASHI(下画像:右側がMUSASHIさん)を起用し、商品の魅力を伝えるブランドの顔としての役割を担ってもらっています。彼はSNSやYouTubeで多くのフォロワーを抱えているので、最新の情報発信を行うという非常に重要なポジションとなります。一方、「EMMA CLOTHES」は外国人モデルを起用しており、他のブランドとの差別化を図っています。先ほどお伝えした通り、背景の色味でも視認性を高めたいので、既存のバックグラウンドを使うだけでなく、時には自分たちでペンキの色を塗り替えたり地道な努力をしていたりもします(笑)。また、ブランドによってはスタジオよりシチュエーションがわかりやすいようロケ撮影を多用するなど、それぞれの世界観を作るようにしています。
(※1:FBZでは、撮影・採寸、商品情報等はZOZOTOWN分が自動的に自社ECへ反映されるしくみとなっています。通常、撮影を含めたささげ対応はZOZO内で行っております。)

——世の中の動きを察知するためのリサーチ方法は?

メーカーの担当者の方やインフルエンサーから話を聞いたり、街や新しいスポットをリサーチしたり、スタッフからアイデアをあげてもらったり、ファッション情報誌から情報を吸い上げたりとさまざまな方法で行なっています。MUSASHIが発信する情報への反応を参考にしたり、WEARISTA(※2)に衣装を提供するなどインフルエンサーとコラボレートしたり、時代に合わせて、ユーザーが今何に興味があるのか、どんなことに反応して、どんな商品が売れるのかを常に研究しています。
(※2:WEARISTA(ウェアリスタ)…ファッションコーディネートアプリ「WEAR」で、センス溢れる着こなしやトレンドを取り入れた着こなしを発信するWEAR公認のファッショニスタです。)
まずはオープンさせた直営のECサイトでブランドとしての地位を固めていき、結果を見ながらできることをやっていこうと考えています。よく実店舗の展開について聞かれますが、今のところ予定はありません。その代わり、それぞれのブランドの成長・拡大や新規ブランドに注力していきます。スピーディにものごとを進めていくことが我々の強みでもあるので、今後もお客様に求められるアイテムを即時に少しでも多く届けられればと思います。

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ブランドの全てを網羅するフラッグシップショップへ、ECサイトを一新 https://fbz.zozo.com/voice/johnbull001/ Thu, 25 Apr 2019 02:40:55 +0000 https://fbz.zozo.com/?post_type=voice&p=755

10年後も色褪せない、ワークウェアをルーツにした服作り

——ブランドの立ち上げの経緯、コンセプトは?

1952年に岡山県倉敷市児島で学生服や作業服の製造からスタートし、60年代前半、ファッションを強化すべく日本に上陸したばかりのジーンズを作り始めました。当初は卸売が専門のファクトリーブランドでしたが、よりファッション性や自社の価値観を打ち出していこうと、自分たちの手でお客様に届けるため、十数年前に直営店である「Johnbull Private labo(ジョンブル プライベート ラボ)」を立ち上げました。

——Johnbullのデニムやワークウェアならでは独自性やこだわりは?

Johnbullは、ワークウェアといっても、いわゆる労働者の作業服というよりは、芸術家やクリエイターの作業着としてのジーンズという切り口で、トータルファッションとして多様なアイテムを展開しています。あくまでも物作りのベースはワークウェアにあるので、例えば、ジーンズの縫製で作ったドレスジャケットのようなジーンズを縫える工場でないと作れない服。一見しただけではわからないけれど、ディテールの仕様や耐久性、機能性、着用時の着心地はワークウェアとしても通用する仕上がりです。同時に「どこにもないものだけど、何にでもあう服、10年後も着られる服」を提供することを理想としています。トレンドを追いかけるのではなく、ルールやルーツを重視しながら、その時代時代の新しさのある服、でも普遍性があるもの。それがJohnbullの強みだと思っています。

——普遍性という点で、愛され、作り続けている定番アイテムは?

もちろんジーンズです。中でも独特なのは、流行に関係なく、メンズ、ウィメンズともにオーバーオールやデニムのオールインワンはひたすら作り続けています。それとユーティリティシェルというアウターも10年以上ずっと展開している、ブランドを体現する商品です。アウトドアブランドの本格的なウェアで使うような素材を用い、機能性を備えながら、あくまでもファッション性を重視し、開閉の仕様はジップとボタンになっています。そこにも理由があって、ボタンの方が取れたら自分で付ければいいので、実はアフターケアがしやすいんです。

——他にはどんなレーベルがありますか?それらのコレクションの特徴は?

「makerhood(メーカーフッド)」と「Attic by Johnbull(アティック バイ ジョンブル)」があります。makerhoodは、自分たちの物作りのルーツに立ち返り、本当のユニフォーム、ワークウェアを象徴するレーベルとして立ち上げました。その一つにエプロンがありますが、用途や目的にあったものでないと使いにくい。そこで、カフェスタッフ、靴磨き職人、パン職人の方々に提供するものを作り始めました。すると、「自分たちの制服として使いたい」「ロゴのプリントを入れたい」と他業種の方からの声も上がり、ならばうちでしか作れないものを作ろうということになりました。オリジナルで作るものもありますが、お客様であるブランドやお店の要望に合わせ、これまで20〜30社とのコラボレーションによって製造しています。
Attic by Johnbullは、ウィメンズのみ展開している、アメリカのヴィンテージに特化したレーベルです。メンズでは当たり前ですが、女性に向けて本気でジーンズを追求して作り込んでいるブランドは他にないのではないかと考えました。ヴィンテージに精通したデザイナーが、昔のジップやボタンなどパーツにまでこだわって、縫製から色落ちの加工まで自社工場の職人が手がける、一貫した自社製造という点も特徴です。

会社の旗艦店を目指して、ECサイトをリニューアル

——リニューアル以前のECサイトの課題は?

以前から、ECサイトでの売り上げは、毎年平均135%ぐらい伸びていて、オンライン事業は成長していた部署ではありました。ですが、このまま継続するだけでは伸び止まりが予測できたこともあり、サイトリニューアルなど何らかの新たな施策を打っていかなければ、成長率を維持できない恐れがあると思いました。

——実際に行った取り組みは?

大きくは、EC、ブランド、コーポレートと3つに別れていたサイトを統合することでした。各サイトごとに目的はあったのですが、セッションが分散してしまったり、社員ですらよくわからないということが多々あり、ましてや、お客様に対して、どこを見れば、Johnbullの情報が入るのかが不明瞭でした。以前、EC利用者にアンケートをとった際、店頭で見た商品がECで扱われてない、店頭のポイントがECでは使用できない、といったことが頻出していたことがわかりました。サービスを改善しなければならないと、漠然とリニューアルを考えていたのですが、実際にどう作業すべきかわからないでいました。そこで何度もディスカッションを重ねながら、情報を一つに集約し、お客様がこのサイトを訪れたら、店舗も商品もJohnbullの全てがわかるようにリニューアルしました。

——リニューアルの際に取り入れた具体的な施策は?

複数あるレーベルが対外的に認知され、成長するよう、サイト上で明確に分類し、それぞれのコンテンツやSNSアカウントを立ち上げました。次に店舗とサイトのポイントシステムの統合を図り、さらにはポイントカードをアプリ化し、時代にあったお客様への利便性を重視しました。また、取り扱い商品点数の拡充。店舗ではJohnbull Private laboのみを扱うのに対して、サイトは、Johnbullの全商品を網羅する場所、言わば会社のフラッグシップショップのような場所として機能させ、さらには店舗での未入荷の商品も補完できる状態を目指しました。

——これらの取り組みによる成果は?

これまでJohnbullへの入口は、店舗だけだったのが、SNSやサイトを通じて、レーベルごとにいろんなアプローチで提示することによって、全体像を知るきっかけになり、確実に母数が増えたという実感があります。それに比例して、売り上げもEC化率が、全体の30〜35%を占めるまでになりました。

店舗にしかない「人」の魅力を伝えていくという使命

——ECでの売り上げが昨対200%と右肩上がりの成長に伴い、実店舗との差別化、役割分担をどう考えていますか?

サイトの使命の一つとして、店舗にしかない魅力を伝えていくことがあると思っています。それは何かと言えば、やはり、人、スタッフの存在が大きい。Johnbullの直営店の接客は独特で、お客様とじっくり話しこむんです。話さずに購入いただくことはまずない、と言っていいほど。スタッフの多くは、Johnbullの服が好きで入社しているので、売り上げをあげたいという思いはもちろんありますが、自分が好きなものをお客様にも好きになってもらいたいという気持ちが強いんです。

——スタッフの熱意をサイトで伝えるためには?

スタッフを前面に出す、スナップのコンテンツを作りました。結果的に、サイトを見た時にあの店の人が出てるとか、逆にサイトで知ったお客様が店舗に行った時、あの人見たことがあるとか、知っているスタッフがいることで、親近感を持ってもらい最初の距離を縮めることが理想です。また、日々のブログ更新に加えて、今後は動画も強化しようと思っています。スタッフによる商品の説明動画は、お客様にダイレクトに伝わりやすいですから。実際に、サイトもインスタグラムも、商品だけが写っている写真やかっこいいモデルのルックよりも、スタッフが登場する写真の方がよく見られ、エンゲージが高い傾向があります。スタッフを介することで、ブランドの世界観を体感できる場として、店舗にも足を運んでいただくきっかけになればと考えています。

——サイトの見え方についてはどうですか?

リニューアル後、サイトを一つに統合したことで、情報も多様性が出てきたので、一つのテイストにまとまらない方がいいと考えています。一色に染まりすぎると、興味のある人にとってはいいけれど、それ以外の人にはひっかからない。なので特集記事は、オンライン事業部だけで作成するのではなく、別部署で作成したり、スタッフスナップの隣に子供服やかっこいいイメージビジュアルがあるなど、同じようなコンテンツが並ばないよう心がけ、サイトを訪問した人が、何かに触れ、よくよくは他のレーベルを知ってもらえるよう、間口は広げています。

今後の展開、次なる課題は?

他店舗や他社サイトには在庫があるのに、自社ECでは完売している、お客様が買いたい時に商品がないという状態が起こりがちなので、在庫の効率を向上させることが目下の課題です。売り上げの規模的にもこの先の伸長を見据えるならクリアすべき壁と考えています。サイトが成長するに従って、取り扱い商品が増え、売上規模が増える。それに伴い、商品の発注、登録といった運用面での負担もかなり生じてきています。本来ECは最小労力で最大効果を狙うものだと思うので、裏側を整えて、その分、プラスアルファの新しいサービスなど表側の何かに還元し、よりお客様に満足していただく環境を作れたらいいなと思っています。

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